地頭でわが子と挑む中学受験

豊かな学びと子育てが考える力や生きる力を育てます。無理のない受験を考えるための1つの新しい処方箋。

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お子さんをただのコンピュータにしないために

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「地頭力」というもの。これが何を指しているのかといえば、「努力がすなわち才能」「勉強量で凌駕する」というようなタイプの「頭のよさ」とは対極にあるものなんです。例えばコンピュータのような、驚異的な記憶力や超高速で正確な演算力など。このようなお子さんの「頭のよさ」。いまどきの中学受験で測られるような、お子さんたちの能力。あるいはコンピュータで置き換えることのできるような、このような才能。「地頭力」というものは、これとは正反対のベクトルを向いているんですね。では「地頭力」とはどんな「頭のよさ」なのか。それをちょっと具体的に振り返っておきたいと思い、ここに過去記事の一部を再録しておきます。

-◇-

そもそも地頭力ってなんだろう

地頭力というもの。はっきりした定義はまだ与えられていないようなのですが、「ミニマムな定義を与えなさい」といわれたらどうなるんだろうか・・・ということで、ちょっと考えてみました。簡単にいえば「直面している課題に対する対応能力」「初見の設問に対する対応能力」ということなのですが、これをきちんと定義してみようと。定義はふくらませようと思えばいくらでもふくらませることができそうでしたが、むしろ削っていった方が本質がわかりやすいのではないか。そこで考えてみた定義がこの5つの要素。まず①~③は外せないだろうと。ようするに必須の要素、ということです。でも、ここまで削ってしまうと何かが足りない。それで④と⑤を足しました。

①問題点をつかみとり、
②原理原則に立ち戻り、そこから
③解答にいたる筋道を考える力。
④考える自分を俯瞰する力。
⑤知的好奇心。

①問題点をつかみとる力: 世の中の問題というものは与えられるものとは限らない。むしろ「もやもや」した問題意識がまずあって、それを誰かが明快なことばで表現する。もう少し踏み込んでいうと定義する=「ことばに固定する」。そうしてはじめてだれもが取り扱える問題になるんです。問題は「発見」されて「固定」されなければならない。解決すべき問題を与えるのではなく、自分で「つかみとる」力。あるいは「問題の再設定力」「問題の再規定力」と呼んでもよいかも知れませんが、これが1つのポイント。

②原理原則に立ち戻る力: 原理原則に立ち戻るということは、既存の公式だけを使って、ということではありません。既存の「公式+解法=正解」≒「常識」にとらわれず、出発点に立ち戻って原理原則そのものから考え直すということです。その公式自体を疑ってみる。その意味を考えてみる。そういう部分までを含みます。要するにその世界の常識というもの。これを疑ってみる。疑えるだけ疑ってみて、それ以上疑うことのできない原理原則にまで立ち戻る力、ということです。これがもう1つのポイント。

③解答にいたる筋道を考える力: 「筋道立てて解答する力」ではなく、逆向きに「解答にいたる筋道を考える」というところがポイントです。解答を見つけることそれ自体よりも、むしろ何通りもの解答を思い浮かべ、それへの筋道を追ってみる。これを可能な限りやってみる。筋道が妥当だと判断できればその解答を正解としての候補とする。筋道が通らなければその解答は留保する。そうやって候補となる解答を絞り込む。筋道があって解答があるのではなく、「解答と筋道」。この両方にあたりをつける力。そのような力です。

④考える自分を俯瞰する力: 考える自分を見つめる自分を持つ、ということです。「メタ認知力」と呼ばれるものです。あれこれ考えながら、「いや・・・正解はそっちじゃない」とか「もっとこっちを掘り下げてみたらどうだろう・・・」というように、自分自身の思考をコントロールする自分を持つ力です。たとえてみれば、「解答と筋道」にあたりをつけるときに、その場の視点からではなく、いろいろな考え方を並べてみて、全体をさらに別の視点から俯瞰しなおす力、とでもいいましょうか。

⑤知的好奇心: 地頭のはたらきを観察してみると、はじめに①があって、そのあと②~④が同時にはたらく。そんな印象です。②~④が同時にはたらくと「ひらめき」がやってくる。原理原則と筋道と解答が同時にやってくる。そうなるとアーハ!体験となるわけですね。アーハ!体験はきもちがいい。だからもっと考えるようになる。そんなサイクルが動いているようです。ですのでもし①~④に付け加えるとすれば、なぜはじめに「考えよう・・・」と思うのか。ここの動機づけですね。「なぜだろう」「どうしてなんだろう」と思うこと。ここまできてはじめて⑤が必要だということがわかります。

-◇-

ではこの「地頭力」というもの。しばしばあわせて語られることのある「生きる力」とどうかかわってくるのか。じつはこの2つ。最初に挙げた「直面した課題に対する対応力」や「知的好奇心」という点でつながってくるんです。「生きる力」を議論する場合にしばしば用いられるIKRの14の指標。その中でも特に「心理的社会的能力」という指標の中の「視野・判断」=「自分で問題点や課題を見つけることができる」「先を見通して自分で計画が立てられる」という項目と強い相関がある。で、この「心理的社会的能力」というもの。お子さんたちの「野外体験や外遊び」などでうまく引き出されることが知られているんです。

「子育て」と切り離しては語ることのできない「野外体験や外遊び」というもの。これがお子さんたちの「地頭力」を引き出す一助になる。であればご家庭のお子さんの「地頭みがき」。中学受験も含めて、より大きな「子育て」の観点から見つめ直してみてはいかがでしょうか。

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Comments

震電08-G  

主旨には賛同できますが。

ぱぱ塾ぱぱ様

初めてコメントさせて頂きます。
震電08-Gと言います。

なるほど、ぱぱ塾ぱぱ様は主に
「問題解決力」と「知的好奇心」の2つを
「地頭力」と定義されているのですね。

私は世間で言われる「地頭」という単語に
若干(けっこう?)な疑問を抱いておりました。
世間やネットで一般に使われているのでは
「生まれ持った才能的な知力(学習能力)」
を指しているからです。

現代のその道の第一人者でも、「知能」や「知性」を
正確に定義する事は出来ないので、
そこに「地頭」という言葉で片付けてしまう事に
抵抗を感じていました。

ぱぱ塾ぱぱ様の言われる「問題解決力」と「知的好奇心」
を育てる事が必要というのなら、納得できます。

ただそれでも「世間一般で使われる地頭」とは
違和感があるのは否めませんが・・・。

2011/06/24 (Fri) 08:25 | EDIT | REPLY |  

ぱぱ塾ぱぱ  

用語について

震電08-G さま

はじめまして。鋭いコメントをどうもありがとうございます。

> 「地頭」という言葉で片付けてしまう事に 抵抗を感じていました。
> 「問題解決力」と「知的好奇心」を育てる事が必要というのなら、納得できます。

ありがとうございます。励みになります。せっかくですので用語を整理してみようと思います。

> 「生まれ持った才能的な知力(学習能力)」を指しているからです。

私は職業柄、「先天的」という言葉を使うことに抵抗がありまして、少しばかり遠回りな言い回しになりますが、「地頭」という言葉には「(広い意味で)付与された”資質”としての地頭」と「(狭い意味で)獲得すべき”能力”としての地頭」の2つの意味があると理解しております。前者は動物行動学でいうところの「遺伝的プログラム論」、後者は方法論としての「コンサルティング技術」に相当するのではないかと考えております。単純に「地頭」という場合、私の知る範囲では、用語としては後者が先で、後から前者の意味で使われるようになったようです。

> ただそれでも「世間一般で使われる地頭」とは違和感があるのは否めませんが・・・。

「世間一般で使われる地頭」も、これらのいずれかに相当するというのが私の理解です。そういう意味では、震電08-Gさまの立場とは異なり、「地頭」という言葉は多義であるというのが私の立場になりますね。我が家のブログで「地頭」という言葉を使う場合、「子育て論」的には前者の意味で、「受験技術」的には後者の意味で使っております。「知的好奇心」は前者、「問題解決能力」は後者のシンボル的な用語として使っております。主に受験用語として、「地頭のよしあし」を単に「頭のよしあし」の意味で使う場合、本来の語義とはずれている、というのが私の認識です。

「子どもの地頭」といった場合、前者の意味で使われることが多いのは承知しております。ただ、それに後者の意味を「接ぎ木」することで、「子育てを犠牲にしない中学受験」、あるいは「子育てと中学受験の両立」ができるのではないか、というのが、私がこのブログを立ち上げたそもそもの理由なのですが、ご指摘の通り、若干の「接ぎ木感」があるのは否めませんね・・・(汗)

ご指摘の点、これで答えになっておりますでしょうか。

2011/06/24 (Fri) 21:30 | EDIT | REPLY |  

震電08-G  

ご回答ありがとうございます!

丁寧なご回答ありがとうございます。
ぱぱ塾ぱぱ様が、「地頭」を2つの意味で使われており、
その使い分けも理解いたしました。
私が最初に「地頭」という単語を見た(聞いた)シチュエーションが悪かったのかもしれません。
(それで悪い印象が染みついてしまったのかもしれません。
それと私は現代の科学では、知能や知性の定義を出来ないと考えているので、余計にそう思ってしまったようです。)
ブログ中で述べられている主旨には賛同しております。
子育てを犠牲にしない中学受験、素晴らしいと思います。
(私はそういう意味では、かなりの失格親父なので)
今後ともぱぱ塾ぱぱ様のブログを読ませて頂き、勉強させて頂きたいと思います。

2011/06/27 (Mon) 18:53 | EDIT | REPLY |  

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